icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸9巻8号

1974年08月発行

文献概要

今月の主題 胃潰瘍の最近の問題点 主題

胃潰瘍難治化の要因と再発因子およびその対策

著者: 原義雄1 小越和栄1 飛田祐吉1 丹羽正之1 斎藤征史1

所属機関: 1新潟県立がんセンター新潟病院内科

ページ範囲:P.981 - P.987

文献購入ページに移動
 胃潰瘍は容易に治癒するが,6カ月の内科的治療でも治癒しえないものが約15%ある.このような難治の要因は何であろうか.この問題は今までも何度か本誌上で,あるいは学会で討論されてきたが,ここでもう一度考察を加えてみたい.また,どんな潰瘍が再発をきたしやすいか,そしてそのような再発を起こさせる因子は何か,またそのような難治,再発例を予知し,これを防止,あるいは治療できないものか,など検討を加えてみたい.

難治潰瘍について

 1.定義未だこの定義は明確にされていないが,川井1)は4カ月で治癒しないものを,田中2)は3カ月で治癒しないものを,春日井・加藤3)らは,外来で3ヵ月,入院で2カ月治療し,治癒しないものを,それぞれ難治と考えている.私どもの観察では,表1に示すごとく,治癒率は4カ月までは,かなりの率で上昇し,その後は比較的ゆるやかな上昇となることが認められた.しかしここでは問題の特徴をつかむため,6カ月以上の内科的治療でも治癒しなかったものを,難治潰瘍としたことを断わっておく.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?