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文献詳細

雑誌文献

胃と腸9巻8号

1974年08月発行

文献概要

胃と腸ノート

胃潰瘍癌のレントゲン像(6)

著者: 安井昭1

所属機関: 1順天堂大学消化器外科

ページ範囲:P.1042 - P.1042

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〔症例3〕M. I. 48歳 ♀

 Ⅱc型,Ul-Ⅲ-Ca(sm)

 切除標本は図1,そのシエーマは図2である.小彎を中心とした後壁に辺縁の不規則な扁平なHcがあり,その中央にやや深い陥凹がある.陥凹面には小さな凹凸があり,後壁の一部にびらんが認められる.幽門側からの皺襞は全く認められない.後壁側の辺縁が心もち高まっている感じがする程度である.前壁からの皺襞の真ん中の1本だけが潰瘍の中心に向ってその尖端が狭小化して伸びているほかは,すべての皺襞は棍棒状ないしは尖端部のヤセをもち,その断端は融合断裂または断裂している.Ⅱc型でⅢの要素はなく,したがって二重輸郭は認められない.病理組織学的には図3のごとく,Ul-Ⅲの潰瘍を瘢痕母地とする腺管腺癌である.粘膜層の厚さは潰瘍を境に口側は厚く,幽門側は薄い.すなわち口側には粘膜ひだが認められるが,幽門側のそれは認められない.肉眼像を組織学的に裏づけている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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