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視座
手の知覚
著者: 伊藤鉄夫1
所属機関: 1京都大学医学部整形外科
ページ範囲:P.115 - P.115
文献購入ページに移動上肢の神経損傷の治療においては,運動の能力と共に知覚の能力をできる限り完全に回復させるよう努力が払われなければならない.従来の治療法では,一応運動と知覚が回復していると思われる場合でも,詳細な検査を行なってみると知覚の回復が甚だ不充分であることがしばしば発見される.閉眼させてピンをつまむよう命ずると(picking-uptest),それができないものが多い.したがって手の知覚検査では,単に皮膚知覚の有無を検するだけでは不充分である.このような動作を正確に行なうためには,知覚に基づく対象物の認識が完全でなければならない.
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