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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科1巻5号

1966年08月発行

文献概要

臨床経験

大腿骨骨幹部骨折に対する自家脛骨片を用いた2面固定法

著者: 塩津徳政1 勝良顕1 寺松潔1

所属機関: 1厚生年金玉造整形外科病院

ページ範囲:P.515 - P.522

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まえがき
 一般に大腿骨々折の観血治療は,どの様にすれば確実に骨癒合の目的を達成出来るかということが本報告の眼目である.大腿骨のように人体の長管骨のうちで最も長大でしかも強力な筋群に包まれた骨では,その整復固定の操作が必ずしも容易でなく,症例によつては相当高度の技術を必要とすることがある.近年,観血治療の適応が益々普及拡大されるに伴つて,多くの優れた治療成績が挙げられるようになつた反面,極めて悲惨な結果を招く症例も跡を絶たない現状である.観血治療を行う場合でも,すべての症例に於て期待された経過をたどるものとは必ずしも断言出来ないものであるから,予期に反して悪い経過をとる場合もあることを十分考慮にいれて慎重に手術方針の決定に当らなければならない.大腿骨々折の手術失敗例の中でも最も厄介なものは,遊離骨片は勿論骨折端部に高度の骨栄養障害を伴うものや骨髄炎を併発して瘻孔を伴つた偽関節であるが,これらに対する治療法は又別の機会に譲るとして,普通見られるような遷延治癒乃至は偽関節でも,治療日数の著しい延長とともに不快な膝拘縮の合併が避けられなくなる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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