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論述
いわゆるKantenabtrennungとシュモール軟骨結節
著者: 岩原寅猪1 土方貞久1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.556 - P.568
文献購入ページに移動いわゆるKantenabtrennung(以下K. Abtr.と略す)及びシュモール軟骨結節の病因,病態に関しては,すでに1920年代の病理学者Schmorlによる詳細なる観察を始めとして数多くの報告があるが,その臨床的意義に関しては今日まで深く考慮されることがなかつたようである.
このことは,これらのものの病態に椎間板組織が関与することをみとめても,従来の椎間板ヘルニアとちがつて,直接後方の脊髄ないしは神経根を圧迫することが少なく,根症状のような明確な他覚的所見を欠くこととともに,後方ヘルニアに較べ頻度も少ないため深くかえりみられることかなかつたためと思われる.
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