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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科1巻6号

1966年09月発行

文献概要

臨床経験

Entrapment Neuropathiesと思われる橈骨神経深枝単独麻痺について

著者: 安部龍秀1 星子正義1 篠原典夫1 高松鶴吉2

所属機関: 1九大医学部整形外科学教室 2足立学園

ページ範囲:P.617 - P.621

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緒言
 末梢神経には他の組織によつて特に機械的刺戟を受け易い解剖学的な部位がある.
 他の組織とは筋,腱,骨,靱帯等であり,機械的刺戟の反復は局所の炎症と瘢痕組織を生じ,その結果神経線維は変性を受けることになる.また神経が周囲組織からしめつけられ易い解剖学的特色は筋緊張等によつて変化する.Carpal tunnel syndromeはその好例であるが,正中神経に限らず,殆んど全ての末梢神経はこうした種類の損傷を受け得るわけで,1962年Harvey P. KopellとWalter A. L. Thompsonは,これらを"Entrapment neuropathies"という言葉で総称している.これは全く解剖学的問題であるが,整形外科外来での"Pain syndrome"はきわめて多く,KopellやThompsonも"Peripheral neurology"に対する興味と知識が医界に不足しているために,患者は開業医,神経科,整形外科,神経外科,精神科を往復するだけであるとなげいている.われわれは根気よく"Pain syndrome"を追求しなければならない.こうした対象の中からわれわれが最近1年半の間に経験した橈骨神経深技単独麻痺の4例について報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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