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装具・器械
エアドリルの使い方
著者: 藤本憲司1
所属機関: 1信州大学医学部整形外科
ページ範囲:P.748 - P.752
文献購入ページに移動著者がこのair drillをはじめて見たのは,1963年にウィーンで開催された第9回国際整形災害外科学会の会場であつた.非常な高速度で回転する錐で,骨を自由自在に切つている光景を見て驚いた次第である.それは今までの電気鋸にくらべて比較にならぬほど細かい細工ができるようであつた.翌年これを輸入して実際に使用してみると,骨切り,孔あけ,整形などの骨手術に大変便利なものであることがわかつた.その反面,精巧な機械であるだけに,正しい使い方をしないど十分な効果を発揮させることができないし,また故障の原因にもなるので,以下,著者の使用経験と使用解説書をもとにして,その正しい使い方について解説することにする.
本器はアメリカの口腔外科医Robert M. Hallによつて開発されたもので,1963年春のAmerican Academy of Orthopedic Surgeosの学会でHall Air Drillとしてはじめて紹介され,さらに同年9月,国際整形災害外科学会に展示されたことは前述のとおりてある.その後Air Surgeryの器具として広告され,1965年はじめ以来,Hall Surgairtome,Hall OrthairtomeおよびHall Neurairtomeと,少しずつ性能と用途の異なつた3種類になつたが,そのうちSurgairtomeがHall Air Drillとほとんど同じものてあるらしい.
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