文献詳細
臨床経験
文献概要
膝窩部の嚢腫は,古くから報告がみられるが,1877年Baker1)が8例を報告しており,一般にはBaker's cystの名で呼ばれている.しかしその呼称はさまざまでpopliteal bursitis,semimebranosus bursitis,medial gastrocnemius bursitis,gastrocnemiosemimembranosus bursitis popliteal cyst等が使われ,発生機転について,種々議論がさなれており,又機能的にも重要な膝窩部に発生する事から,臨床的にも色々な興味をひいて来た.最近私どもは膝窩のみでなく,広く腓腹部に及ぶ大きな嚢腫を4例経験し,手術的治療を行つたので,その発生機転に関する考察を加えて報告する.全症例を表に示し(第1表)発生部位を図にあらわす(第1図).
掲載誌情報