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シンポジウム 頸部脊椎症性ミエロパチー
頸部脊椎症性ミエロパチー—第48回日本整形外科学会総会シンポジウムをふりかえって
著者: 津山直一1
所属機関: 1東京大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.984 - P.989
文献購入ページに移動頸椎の椎体,椎間板の退行性変化(Spondylosis)が脊髄に病変をひきおこして起こる頸部脊椎症性ミエロパチーの病態が認識されるようになつたのは1948年のBrain1),Knight,Bullらの報告が最も早いものであるとされ引用されることが多い.しかしこの3人の報告のうちKnightとBUllは椎間板の脱出による脊髄や神経根の圧迫を論じただけで椎間板のみならず,線維輪やそれにつながる骨棘が同様に神経症状をひき起こす原因となり得ることを指摘しそのほうが原因としてはるかに多いことを述べたのはBrainのみであるから,Bailey and Casamaiorらが,1911年にすでに,変形性脊椎症様変化が頸部で脊髄や神経根を圧迫し,種々な症状を起こし得ることを論じていることは忘れてはならないが,今日の頸部脊椎症性ミエロパチーの存在を明らかにしたのはBrainといつてよいであろう.
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