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特集I 頸椎後縦靱帯骨化症
頸椎後縦靱帯骨化症の成因に対する検討—HL-Aに関して
著者: 藤谷正紀1 金田清志1 原田吉雄1 越前谷達紀1 大西英夫1 大脇康弘1 東郷正晴1 矢倉英隆2 脇坂明美2 板倉克明3
所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室 2北海道大学医学部第一病理学教室 3旭川医科大学第二病理学教室
ページ範囲:P.1086 - P.1090
文献購入ページに移動HL-A抗原(human leukocyte antigen)とは,白血球のもつ抗原であり,赤血球にABO血液型抗原とRh血液型抗原が存在するように,リンパ球の表面にも特有の抗原が存在する.従来このHL-A抗原の研究は,主に臓器移植の型合せを目的として行われてきたが,近年,疾病感受性との相関についても注目されてきた.
遺伝分析が容易なマウスのH-2系は,人のHL-A系に相当し,この抗原系と白血病との関係は詳しく分析されている.マウスのH-2抗原と白血病ウイルス感受性とに密接な関係があることは,1964年にLilly1)らによつて明らかにされた.すなわち,C3H,C57BLの2系のマウスにおいてGrossウイルス感受性を調べたところ,H-2k抗原をもつマウスに高頻度に白血病の発生がみられ,H-2b抗原をもつマウスでは低頻度にしか発生をみないというものである.このH-2抗原のような組織適合抗原が疾病の感受性にどのような機序で関与しているかということは,Snell2)が,3つの仮説をあげており,最近ではその一つである組織適合抗原座に密接に連鎖している遺伝子座が免疫反応を支配しており,これが疾病感受性に影響を与えているという考えが支持されている.
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