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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科10巻2号

1975年02月発行

文献概要

論述

関節疾患とTryptophan代謝

著者: 猪狩忠1 土沢正雄1 鳥羽義紀1

所属機関: 1岩手医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.131 - P.137

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 Tryptophan(Try)はHopkinSおよびCole(1901)により発見されたアミノ酸の一つで,その代謝はindole核を有するアミノ酸特有の複雑でかつ特異的なpatternを示すとともに,生体でこのアミノ酸が必須アミノ酸として栄養上切な物質であることの他に,tryの代謝産物には多くの生物学的重要物質が存在していることが知られている.たとえばビタミンの一つであるニコチン酸,植物ホルモンであるインドール酢酸,chemical mediatorとして血収縮その他の重要な生理作用のあるscrotonin,tryptamineといつた天然に存在する誘導体で,try代謝系の関与により形成されると考えられる物質が少なくない.またtry代謝には多くの酵素,補酵素の関与が必要とされる,つぎに関節内Serotoninについては,histamineなどとともにその生体内合成については,関節滑膜の組織マスト細胞との関連において考慮されるべきであり,更にアレルギー反応の立場からも論議の対象となる物質で,その点からも関節疾患を扱う者にとつてtry代謝は重要関心事である.
 このようにtry代謝については基礎医学,薬学はもちろん臨床医学の多くの分野において,数多くの研究がみられるようになつてきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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