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論述
大腿骨頸部内側骨折後の関節軟骨の運命
著者: 広谷速人1 伊藤鉄夫1
所属機関: 1京都大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.294 - P.302
文献購入ページに移動大腿骨頸部内側骨折は,その特異な力学的要因や大腿骨頭への血行から骨癒合を期待することが難しいだけでなく,骨折自体は治癒しても骨頭の壊死やcollapseが続発しやすいことは,周知の通りである.さらに骨頭への血流も良好であり骨組織の再生が十分であつても,大腿骨頭の関節軟骨が形態学的,機能的に健常に保たれていない限り,神正常の股関節機能を期待できないことは明らかである.
しかしながら,従来の大腿骨頸部内側骨折についての病理組織学的研究は,骨頭での修復過程やその合併症に焦点がしぼられ1,17),関節軟骨の変化については,僅かにSantos20)(1930),Shermanら21)(1947),Colemanら5)(1961),Catto2,3)ら(1965)の記載があるにとどまり,その系統的観察は今日まで報告されていない.
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