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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科10巻5号

1975年05月発行

文献概要

視座

骨吸収と骨血行

著者: 青池勇雄1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.375 - P.375

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 骨の過剰吸収の原因は炎症,外傷,圧迫,腫瘍性,神経性,血行性など多様である.
 骨吸収の著しいものにmassive osteolysisがあるが,これは小血管,淋巴管のangiomatosisと考えられていて,Garhamはマウスの肢に類似の病変を造つて,active hypercmiaでは骨吸収が,passive hypercmiaでは骨形成がおこると述べている.骨が多発性に嚢腫状に吸収されるcystic angiomatosisは小児の疾患で,最後には脾も犯されて,死亡する性質の悪い病気であるが(W. T. Boylc),腫瘍性吸収とされている.腫瘍での骨吸収は圧の増加による骨細胞の壊死,血行障害による壊死もさることながら,それにも増して蛋白分解酵素やコラゲナーゼの働きが重要であろう.同じく悪性の骨吸収にcssential osteolysis with nephropathyがある.これは手根骨,足根骨,肘など関節が吸収され,これに関係する骨も次第に吸収され,やがては腎障害で死亡する.この疾患の骨言及収のレ線像はarthritis mutilansに似ていて,血行性吸収ではなく,骨代謝異常などが関係しているようである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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