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骨吸収と骨血行
著者: 青池勇雄1
所属機関: 1東京医科歯科大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.375 - P.375
文献購入ページに移動骨吸収の著しいものにmassive osteolysisがあるが,これは小血管,淋巴管のangiomatosisと考えられていて,Garhamはマウスの肢に類似の病変を造つて,active hypercmiaでは骨吸収が,passive hypercmiaでは骨形成がおこると述べている.骨が多発性に嚢腫状に吸収されるcystic angiomatosisは小児の疾患で,最後には脾も犯されて,死亡する性質の悪い病気であるが(W. T. Boylc),腫瘍性吸収とされている.腫瘍での骨吸収は圧の増加による骨細胞の壊死,血行障害による壊死もさることながら,それにも増して蛋白分解酵素やコラゲナーゼの働きが重要であろう.同じく悪性の骨吸収にcssential osteolysis with nephropathyがある.これは手根骨,足根骨,肘など関節が吸収され,これに関係する骨も次第に吸収され,やがては腎障害で死亡する.この疾患の骨言及収のレ線像はarthritis mutilansに似ていて,血行性吸収ではなく,骨代謝異常などが関係しているようである.
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