icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科10巻7号

1975年07月発行

文献概要

論述

橈骨神経深枝麻痺の治療経験

著者: 渡捷一1 松石頼明1 津下健哉1 石川文彦2

所属機関: 1広島大学医学部整形外科学教室 2広島県立広島病院整形外科

ページ範囲:P.589 - P.594

文献購入ページに移動
 橈骨神経麻痺は末梢神経麻痺のうちでは頻度の高いもので,特に高位型は上腕骨骨折,上腕挫創,あるいは注射等の合併症として日常しばしば遭遇する機会があるが,低位型は比較的少い.橈骨神経低位麻痺(深枝麻痺)の場合もその多くは前腕の挫創等の直達外力により発生したものであるが,時に何らの誘因なく,あるいは軽微な外力を誘因に惹起される場合があり,non-traumatic paralysis,progressive paralysis等として報告されている.しかし,本症の発生機転についての解明が進んだのは近年で,ことにKopell Thompson(1963)らによりentrapment neuropathyの概念が提唱されて以来,本症の理解は容易となつたが,いまだ不明の点も少くない.
 私達は最近までに多くの橈骨神経深枝麻痺を経験したが,これら症例の大部分は直達外力による開放損傷,あるいは挫傷,あるいは骨折,脱臼に付随して惹起されたものであり,いわゆるentrapment neuropathyと診断され,治療したものはわずかに19例に過ぎない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら