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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科10巻8号

1975年08月発行

文献概要

臨床経験

陳旧性の環軸関節回旋完全脱臼の1例

著者: 小林慶二1 横井正博1 内西兼一郎2

所属機関: 1慶応義塾大学伊勢慶応病院整形外科 2慶応義塾大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.719 - P.723

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 環椎・軸椎によつてなす環軸関節は頭部の回旋運動を行うことを主たる機能とし,この運動域は全頸椎の30%から50%におよぶ.すなわちこの関節嚢は弛緩し,関節面は水平に近く形成されているが故に大なる回旋運動が可能となつている.また同時によく発達した筋層群と強靱な靱帯(翼状靱帯)が過度の回旋運動を制限している.そして外傷に対してこれらの強力なcheck mechanismが作動するため,この関節が単純な回旋脱臼を起こすことは極めて稀となつている.事実,文献上にも明らかなlocking rotary dislocationはGreeley15),Braakman & Penning1)の2例がみられるにすぎず,本邦ではいまだ報告されていない.
 最近,われわれが経験した環軸関節回旋完全脱臼は長期間脱臼位にあつたにもかかわらず,持続牽引によつて整復することができた興味ある症例と考え,その診断と治療を中心として考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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