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文献概要
臨床経験
Larsen症候群の経験
著者: 岡義範1 小山明1 高橋惇1 三笠元彦1 伊藤恵康1 石井良章2
所属機関: 1静岡赤十字病院整形外科 2慶応義塾大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.818 - P.825
文献購入ページに移動日常の整形外科臨床において経験する先天奇形の中で,多発性関節脱臼に遭遇する頻度は誠に少ない.1950年Larsenらは先天性多発性関節脱臼を主徴とし,骨格の変形と特微ある顔貌を伴う症例を報告した.爾来欧米では数例の報告を見るが,本邦ではわれわれの渉猟しえた範囲では,松葉ら(1970)の類似例,小池ら(1971)の1例およびわれわれの口演より約1年後に発表された塚田ら(1973)の報告例を見るにすぎない.Latta(1972)の命名による"Larsen症候群"なる呼称は,いまだ日が浅くその命名基準も定かでない点があり,類縁疾患との関連性にも間題がある.今回われわれは本症候群と思われる症例を経験したので,文献例も含めて検討し,その命名を中心に考察を加える.
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