icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科11巻10号

1976年10月発行

文献概要

境界領域

自家および同種関節部分軟骨移植に関する研究—酵素組織化学的および移植免疫学的検討を中心に

著者: 田中晴人1 野島元雄1 横山輝昭1 奥田拓道2 井上正史2 村岡俊春2

所属機関: 1愛媛大学医学部整形外科学教室 2愛媛大学医学部第二医化学教室

ページ範囲:P.940 - P.951

文献購入ページに移動
 最近,関節形成外科領域において,かなり関節移植術がとりあげられる傾向になつてきた.こうした動向は古くには,Ollier(1807)は実験的に-2℃で冷凍した軟骨を用いて同種関節移植を行つた.次いで,Tüffier(1911)は,臨床的に膝関節に同種移植術を行つて,約10年間,その機能を保持し得たと報告し,その後,1934年にはLexer,Payerは移植関節軟骨組織の形態の推移についての報告がある一方,また,これをmetabolicな面からの検討をしたものに,Laskin(1953)がおり彼はこの研究を新鮮および保存骨移植を用いて報告した.
 さらに,1971年第58回ドイツ整形災害外科学会(D. G. O. T.)では関節移植(Die Verpflanzung von Gelenkknorpel)を主題としてとり挙げ,当時,臨床的,実験的研究が報告された.さらに1975年第62-D. G. O. T.ではBonn大学のThomas教授が一般演題のなかでGelenkteil und Volltransplantation zur Rekonstruktion von Knie und Hüfterkungenと題して発表し,自験例約10例の移植成功患者を示しながら講演していた.しかし,関節移植を普及化させるためには数多くの困難な問題点が予想され,今後,同種,異種を問わず関節移植実用化のためには,さらに詳細な基礎的および臨床的研究が重要と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら