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手術のasepsisと予防的抗生剤投与
著者: 田島達也1
所属機関: 1新潟大学整形外科
ページ範囲:P.1073 - P.1073
文献購入ページに移動特に整形外科では関節全置換術の普及に伴いbioclean roomの必要性が強調されている.実はこれについては我々以上に関心をもつべき人工弁置換を行う心臓外科医がサッパリ関心を示さないことや,欧米の整形外科でも「経済的理由」からばかりでなく,その意義に対する疑問もあつてその普及率は必ずしも高いとはいえない.しかしその効果を肯定するとしてもその他の点においてこの"ultra-asepsis"に匹敵する厳重なasepsisを実行しなければ「最小利用の法則」が働いてその真価は発揮できないはずである.英国でかつて強調された"non-touch法"が有効かつ実際的asepsis法といえるかは別としてわが国で,手術野の皮膚のasepsisは術者の「手洗い」と同程度の厳重さで行われているだろうか? ところで皮膚の剃毛については米国では日本ほど神経質には考えていないようである.
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