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論述
多発性無腐性骨壊死を来たした1潜水士の症例—特に病理組織学的検討
著者: 北野元生1 川島真人2 鳥巣岳彦2 林晧3
所属機関: 1九州労災病院病理検査科 2九州労災病院整形外科 3九州労災病院高圧医療研究部兼内科
ページ範囲:P.1092 - P.1099
文献購入ページに移動潜水士および潜水に従事する人に無腐性骨壊死が高率に発生するが(Ohta and Matsunaga 1974,Amako et al. 1974)骨頭における進行性の壊死性変化は,重篤な関節破壊を招来することがあるので,特に注目されている(Amako et al. 1974,鳥巣ら1974).
このたび,臨床的に進行性であると考えられた両側大腿骨頭壊死と左側月状骨壊死を有す潜水士の1治験例を経験した.摘出した両側大腿骨頭および左側月状骨を病理学的に検索したが,進行性の壊死性変化がこれらの骨組織に生じているのが認められた.進行性の壊死性変化をもたらす機序についても,いささかの知見を得たので報告する.
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