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臨床経験
指骨に発生したepidermal cystの1例
著者: 北城文男1 林逸郎1 谷村晃1 角田栄一2
所属機関: 1久留米大学医学部第二病理学教室 2角田医院
ページ範囲:P.1148 - P.1150
文献購入ページに移動表皮嚢腫(Epidermal cyst)は,通常手や指の掌側面の軟部組織に好発し,その壁は扁平上皮より成る嚢腫で,1855年Wernher1)により初めて記載されている.Epidermal cystが骨内に発生することは極めて稀であり,1923年Sonntag2)が44歳女性の左中指中節骨に発生したTraumatische Epithel Zysteを記載して以来,内外の文献上40例を数えるに過ぎない.ことに本邦では,現在まで3例の報告が有るのみである.
著者らは,最近指骨に発生した嚢腫の1例を経験したので報告するとともに,現在までに報告されている表皮嚢腫に関する文献を検討して考察を加えたい.
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