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シンポジウム Silicone rod
Rodによる滑膜類似管腔形成—2次的腱移植法の検討
著者: 吉津孝衛1
所属機関: 1新潟大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.136 - P.146
文献購入ページに移動手の外科領域においてもつとも困難で重要な問題の一つである腱修復後の癒着防止策に関し,過去1世紀にわたりさまざまな考え方の許に,実験的,臨床的に数々の試みや検討がなされてきた.
近年Linsay1),鴇田2)らの実験的研究から,修復された腱は理想的な条件下ではparatenonを要せず,腱表面のepitenon由来の新生結合織で癒合が完成することが明らかになつたけれども,実際症例においては腱損傷部への血行障害,周囲組織損傷の合併などにより,そのような理想的な条件下で腱癒合が進行することは少ない.従つて"no man's land"内における腱修復や,腱移植の成績も依然として術後の癒着障害のため決して満足すべきものではない.特に高度挫滅例や周囲組織の瘢痕化の強い例においてはなおさらである.
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