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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科11巻2号

1976年02月発行

文献概要

シンポジウム Silicone rod

手指屈筋腱損傷修復におけるsilicone rodの応用

著者: 三浦隆行1 中村蓼吾1

所属機関: 1名古屋大学医学部分院整形外科

ページ範囲:P.156 - P.165

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 重度屈筋腱損傷の手指機能を遊離腱移植によつて回復する手術は必ずしも期待した効果が得られるとは限らない.この原因としては移植腱と周囲組織との癒着が挙げられ,この癒着は移植腱に対する血行再開のためには必須のものであると考えられている.このため人工腱を用いて機能再建を行なわんとする実験的,臨床的試みが数多く行なわれて来た.Dacron繊維をsilicone樹脂で封入したいわゆるHunter tendonもまたこの目的のため開発されたものである.しかし現在もつとも使用に適していると考えられるHunter tendonにおいてもなお腱と人工腱との縫合部に問題点を残しており,Hunter自身最近では中枢部の縫合は行なつていない.
 一方腱移植後の癒着を最小限に止め,可動性のある軟かい組織による血行を期待することは可能であり,この努力も多くの研究者によつて行なわれて来た.この目的のための一つの手段はsteroid剤などのcollagen生成に関与すると考えられる薬剤の使用であり,なお今後の開発,研究発展が期待される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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