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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科11巻4号

1976年04月発行

文献概要

論述

放置された先天股脱(完全脱臼)に対するカップ関節形成術について

著者: 廣畑和志1

所属機関: 1神戸大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.294 - P.302

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はじめに
 先天股脱の早期発見と早期治療が普及されるようになつて,未治療の完全脱臼例は減少してきた.しかし,いぜんとして思春期や成人に達した完全脱臼や脱臼性股関節症の患者に遭遇することが少なくない.股関節外科の進歩した現在,これらの症例をいかに扱うか,専門医にとつてひとつの課題である.文献でも散見されるごとく,高齢者であれば,salvageという考えで人工関節置換に踏み切れるが,20歳や30歳代の青壮年期の患者に対しては,この手術には異論が多い.著者はかつて,これらに姑息的な骨切り術や固定術10,11)を行なつてきた.しかし,最近の成績調査では,これらの手術を受けたものの中に,少なからず不満を訴えるものがあつた.そこで現在は,脱臼骨頭を積極的に原臼に整復し,カップ関節形成術を行なつてかなり良い成績を得ている.今回は主として,この手術の目的・適応と手術法について述べ,その成績は一括して次の機会に報告したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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