臨床整形外科11巻4号

1976年04月発行

論述

整形外科領域における微小血管外科の実際

著者： 奥津一郎¹ 二ノ宮節夫¹ 高見博¹ 立花新太郎¹ 中村耕三¹ 杉岡宏¹ 巌琢也¹ 阿部績¹ 加幡一彦² 勝間田宏²

所属機関： ¹東京大学医学部整形外科学教室 ²三井記念病院整形外科

ページ範囲：P.321 - P.328

　近年，整形外科領域でも微小血管外科手技が普及し，切断肢・指の再接着術に応用されて，従来断端形成術の適応となつた四肢の救済に役立つている．しかし，その機能的予後についてはなお検討を要すると思われる．また，この方法は骨折や外傷に合併した損傷血管の修復や血管柄付き遊離植皮に対しても応用できる．
　われわれは1973年5月以降，25ヵ月間に微小血管外科手技を多数の臨床例に応用し，手術手技，術前および術後の管理，一部の症例では機能的予後について検討を加えた．