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論述
乳児先天股脱に対するリーメン・ビューゲル再装着の試み
著者: 植家毅12 猪飼通夫1 高井康男1 宇佐美平雄1 池田威2 獅子目賢一郎2 船橋建司2
所属機関: 1名古屋市立城西病院整形外科 2名古屋市立大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.485 - P.492
文献購入ページに移動乳児先天股脱に対してRiemenbügel(以下R. b.と略記)を装着した場合,その8割近くは1ないし2週の間に容易に整復されるが,2〜3週後にもなお整復不能の場合にさらにR. b.装着を続けて自然整復を期待するのか,あるいはR. b.を除去して牽引あるいは徒手整復など他の治療術式に切り換えるのか判断に迷うことが多い.この判断は術者のR. b.による自然整復に対しての信頼感・期待度によつて異なるが,それとともに術者が脱臼位でのR. b.の長期装着の影響をどのように考えているのかによつてもかなり違いがあるように思う.
1963年先天異常クリニック開設以来1970年頃まで,股関節異常に対しては原則として関節造影を施行した上で治療術式を決定してきた私たち(名古屋市立大学・先天異常グループ)は,R. b.による整復不能例には入院・牽引療法後に徒手整復,開排位装具固定を行うことを原則としてきた.しかし1973年以降,こうした整復不能例に対しては,一旦R. b.を完全に除去して患児を自由に遊ばせ,2〜4週後に再度R. b.を装着の上整復を期待するという試みを行なつている.現時点では,再装着によつてどれだけの症例が整復できたのかということに過ぎないが,ある意味ではR. b.法の根幹に触れる点もあるのでその概略を述べ,再装着の問題点について私たちの見解を明らかにしてみたい.
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