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論述
肩関節にみられた"Charcot like arthropathy(Chandler)"の一例—その発生機序と"内因性関節外傷"の提唱
著者: 荻野幹夫1 古谷誠1 浅井春雄1 蜂須賀彬夫1 村瀬孝雄1 笹哲彰1
所属機関: 1国立病院医療センター整形外科
ページ範囲:P.502 - P.509
文献購入ページに移動本文においては,血清梅毒反応は陽性であつたが,臨床的に梅毒性神経症状がない例での五十肩に,繰り返し局所的にsteroidを投与した結果発症したと思われるsteroid arthropathyの一例を報告した.
その病理組織像の検索を行い,本症の発生機序をsteroidの抗炎症,疼痛軽減作用,組織修復力の低下によつて助長され,加速されておこつた"内因性関節外傷"による骨・軟骨骨折に神経病性関節症の色彩を帯びたものとしこれを図示した.
"内因性関節外傷"は"外因性関節外傷"に対するもので,この概念は肩関節のような負荷の少ない部分にも,膝のような負荷の多い部位と同様に適応でき,病変の発症機序の説明に都合がよい.内因性関節外傷と外因性関節外傷は区別して考えるべきものと思われる.
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