文献詳細
文献概要
特集 腰部脊柱管狭窄の諸問題
Achondroplasiaに起因する脊椎管狭窄の1手術例
著者: 四方実彦1 森英吾1 真鍋克次郎2 小野村敏信3
所属機関: 1京都市立病院整形外科 2国立姫路病院整杉外科 3大阪医科大学整形外科学教室
ページ範囲:P.724 - P.728
文献購入ページに移動Achondroplasiaは脊柱はじめ全身の四肢,関節の特異な発育障害ならびに変形を有する疾患として注目され,多くの報告がみられるが,その脊椎管の骨性狭小および形態異常に起因するparaplegiaに関する報告は比較的に稀である.1953年にSchlesinger & Taveras1)が,次いで1954年Verbiest2)がdevelopmental spinal canal stenosisの概念を発表して以来,本邦においても注日されはじめて,その病態および治療法に関する多数の報告がみられるようになつた.しかしながらdevelopmental stenosisの典型的なものとされているachondroplasiaのparaplegiaに対する手術症例の報告は外国でも稀で,その成績は不良とされており,本邦では未だ報告がみられない現状である.われわれは今回典型的なachondroplasiaの脊椎変形に起因するparaplegia患者に対して広範囲な胸腰椎椎弓切除術を施行し,治療の困難性をいろいろと経験したので,その臨床所見ならびに術後経過と問題点を検討した.
掲載誌情報