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臨床経験
骨Paget病の6例
著者: 荻野幹夫1 古谷誠1 浅井春雄1 蜂須賀彬夫1 村瀬孝雄1 笹哲明1 三上隆三2 井上肇2 田中秀3 山崎典郎4 杉岡宏4 曾我恭一4 土居通秦5 御巫清充6 大井淑雄6
所属機関: 1国立病院医療センター整形外科 2聖路加国際病院整形外科 3都立府中病院整形外科 4都立墨東病院整形外科 5都立大塚病院整形外科 6自治医科大学整形外科学教室
ページ範囲:P.49 - P.56
文献購入ページに移動骨Paget病は1876年J. Paget23)が長期にわたつて観察した1例の報告以来,症例報告の増加とともに病態についても多くの知見が得られるようになつたが,なお原因不明の骨系統的疾患で欧米では比較的多数の症例が見られるが,東洋人には少い15,21)とされているものである.本症は病変の広がりによりpolyostotic typeとmonostotic typeに分けられる.この分け方は病期によるものか,本態的差によるものかは不明であるが,前者の例は後老の例に比し著しく少い.合併症として恐れられるPaget肉種の発生や高送血性心不全は,骨病変が烈しければその発症の可能性が増大する.骨病変過程を抑制することが最良の治療となるであろう.Calcitonin12),Mithramycin10),Diphosphonate26)等の投与により病変過程を抑制することができるとの報告がある.本交の目的は6症例(内2症例は既発表例)32)のまとめと,その中2例についてのcalcitoninの使用経験を述べ,多少の考察を加えることである.
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