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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科12巻10号

1977年10月発行

文献概要

論述

変形性股関節症に対する我々の骨切り術とその長期成績

著者: 加藤哲也1 松野誠夫1 長谷川充孜1 伊藤邦臣1 増田武志1 依田有八郎1 和田元1 平井和樹1 原田裕朗2 斎藤克登之2

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科学教室 2札幌幌南病院整形外科

ページ範囲:P.928 - P.944

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はじめに
 わが国の変形性股関節症は先天股脱ないしは臼蓋形成不全に由来する二次性のものが大部分を占める.したがつてその発生年齢が比較的若い点,また形態的特徴などから各種観血的治療法のうちでも骨切り術は重要な役割を演じている.
 われわれの教室では昭和31年以来,本症の各年代,各病期に対し適応と考えられるものに主として移動骨切り術を行ない,その成績もしばしば報告して来たが52,53),手術症例数は昭和50年8月現在292例,304関節に達した.近年従来適応と考えていたもののうち若年者の軽症は臼蓋形成術に,老年の重症は人工関節全置換術にその座をゆずる傾向にあるが,その中間に在って,前述のごとく依然として重要な治療法であることに変りはない.大腿骨転子間骨切り術の除痛効果は衆目の認めるところであるがその手術法の細目においては未だ一致をみないし,手術適応および効果持続期間も必ずしも明確でない.手術の目標としては1回の手術で一生を全うすることができるのが理想であるが,少なくとも人工関節適応年齢まで効果を持続し,バトンタッチできなければならない.いかなる条件下ではどの位の確率で少くとも何年間は効果が持続するかを知ることが切に望まれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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