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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科12巻11号

1977年11月発行

文献概要

臨床経験

左第10肋軟骨に発生したRib-Tip Syndromeと思われる1例

著者: 望月一男1 河路渡1 加藤正1 向後博1 布田由之1 太田信夫1 河口幸博2 草野佐3

所属機関: 1杏林大学医学部整形外科学教室 2杏林大学医学部病理学教室 3社会保険山梨病院外科

ページ範囲:P.1119 - P.1123

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 肋骨弓部に局在する激痛を主徴とする,いわゆるRib-Tip Syndromeは,その疼痛が激烈かつ特徴的であるが,その治療が比較的容易であることと,比較的ありふれた症状の故に,広く一般に認識されていない.本症候群は1919年E. F. Cyriaxが初めて別個の疾患として記載し1),1922年R. Davies-CollcyがSlipping Ribと命名し2例報告して以来2),種々の呼称で呼ばれつつ1個の症候群として鑑別されようとしている.文献的に本症候群を概観すると,その疼痛は肋軟骨のanterior endのhypermobilityに伴つて発生し,多くは第10肋軟骨に発症するが,ときに第8,第9肋軟骨にも発症する.肋軟骨が直接胸骨に付着する第1肋軟骨より第7肋軟骨には発症せず,肋軟骨が相互に付着しているか,looseな線維性組織によつて付着している第8,第9,第10肋軟骨に発症する.この解剖学的特異性は,第8,第9,第10肋軟骨にhypermobilityを招来し易く,外傷との関連性が大いに問題となるところである.また,本症候群は上位肋軟骨のcostochondral junctionsやchondrosternal junctionsを冒すことはない1,3)(第1表).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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