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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科12巻2号

1977年02月発行

文献概要

視座

手の触覚

著者: 伊藤鉄夫1

所属機関: 1京都大学整形外科

ページ範囲:P.105 - P.105

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 皮膚知覚は手掌において最も高度に発達している.痛覚,触覚,温覚,冷覚のための特有の受容器があり,手掌では密に分布している.このうち触覚受容器はmechanoreceptorとして高度に発達しており,すばらしく精巧な構造をもつている.これには2種あり,第1のものは持続的圧刺激を正確な局在をもつて識別する受容器(Merkel's tactile cellおよびRuffini's ending)であり,圧を受けると,その刺激が持続する限り,求心インパルスを発射するからslowly-adapting receptorとよばれる.二点識別検査はこの受容器の感覚円の大きさとその分布密度を検査する方法である.刺激された2つの受容器の間に刺激を受けない1つ以上の受容器が介在するときに,大脳皮脳は2点を局在をもつて識別する.指頭の二点識別能は2mm以下であるから,その感覚円の直径は1mm以下である.第2の受容器は断続的圧刺激すなわち振動を感知するmechanoreceptor(Meissner's corpuscleおよびPacinian corpuscle)である.この受容器はたまねぎのような層状構造を有しており,圧刺激を加えた当初には求心インパルスを発射するが,速かに順応してインパルス発射が止まり,圧を除いたときに再びインパルスを発射する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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