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特集 胸椎部ミエロパチー
胸椎部ミエロパチーの診断
著者: 児玉芳重1 加藤実2 渡辺秀男2 太田和夫2 小野村敏信3 遠藤紀3 二宮立三4 畠山勝行4 三木堯明4
所属機関: 1京都逓信病院整形外科 2京部大学医学部整形外科学教室 3大阪医科大学整形外科学教室 4市立宇和島病院整形外科
ページ範囲:P.328 - P.336
文献購入ページに移動胸部脊柱の退行変性によつて脊髄症状を来たす,いわゆる胸椎部ミエロパチーは稀な疾患であり,日常遭遇する機会は少ない.胸部脊柱は頸部脊柱に比べてその可動性が少ない.また胸部脊柱管は解剖学的に狭い.そして胸髄の血行も比較的乏しく,他の部に比して易損性が高い.従つて頸椎部ミエロパチーと異なつた病態を示すのではないかと考えられる.
これらの相異を知る目的で,我々は昭和33年より昭和50年までの17年間に,胸椎椎弓切除術を施行された症例のうち,脊髄腫瘍,脊髄損傷,脊椎カリエス等の症例を除外し,いわゆる胸椎部ミエロパチーと考えられる19症例について調査し,その診断学的問題について検討した.さらにその治療成績についてもあわせて報告する.
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