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文献概要
カラーシリーズ 人工関節の手術・4
慈大型人工股関節
著者: 赤松功也1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学整形外科
ページ範囲:P.410 - P.413
文献購入ページに移動この型には,大きくわけて2つの特徴がある.その一つは,構造上の特徴であり,他の一つは生体との固定に骨セメントを用いない点である.まず,人工臼についてのべると,ステンレス鋼によりつくられた金属製の人工臼の内部には,HDP製の人工軟骨がはめこまれている.これはプラスチック対金属の組み合わせをつくりながら,しかも,プラスチック製人工軟骨の弱点を金属で補強したわけである.さらに,金属製人工臼の外部には3本の大きな溝つきの突起が出ており,これらは寛骨臼の骨に打ち込まれ,生体に固定される.したがって,骨セメントは全く用いない.突起の溝は打ちこまれたのちに,その部に新生骨が形成されることを期待しての設計である.次に人工骨頭側では,骨頭軸基部にひれ状の突起があり,これは回旋防止用に作られたものである.さらに,閂状の骨性固着を期待したself-locking用の穴,ならびに骨頭軸の尖端にまできざまれたきざみ目などは,いずれも骨セメントなしでの骨との固着を期待したものである.また,人工骨頭頸部の角度すなわち骨頭切除面に適合する人工骨頭頸部の水平面に対する角度は45゜として,荷重は主として,小転子部の非常に厚い骨皮質にかかるようにし,さらに骨頭軸は直型にしてある.
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