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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科12巻7号

1977年07月発行

文献概要

論述

変形性膝関節症発生の周辺—股関節固定が及ぼす影響について

著者: 伊勢亀冨士朗1 宇沢充圭1 冨士川恭輔1 石井良章1 月村泰治1 鈴木邦雄1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.639 - P.646

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はじめに
 機能の荒廃した股関節疾患に対して股関節全置換術が風靡する昨今であるが,臨床的に耐久性,無痛性,安定性に富む片側性股関節固定術は小児にも青壮年にもなお魅力のある適応となつている.
 片側性股関節固定術によつて股関節運動は欠如するがそれは(1)骨盤の回旋の増加,(2)健側股関節運動域の増加,(3)固定側膝関節の屈曲位歩行の増加などで代償される3).しかし脊柱の運動性,健側股関節や固定側膝関節の状態,脚長差の程度によつて歩行様式は不均衡,不規則となるし外観上も醜い歩容を呈することがある.また股関節固定は固定側膝関節に膝変形や運動域異常をもたらすが8),脚長差や大腿骨の回旋欠如がこれらと相埃ると二次性にbiomechanicalな変形性膝関節症を招くことは当然といえる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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