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論述
変形性膝関節症と膝蓋骨の高さ(第2報)
著者: 岡本連三1 腰野富久1 佐々木崇1 深谷茂1 紺野勉1 山田幸宏1
所属機関: 1横浜市立大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.850 - P.856
文献購入ページに移動膝蓋骨は人体内最大の種子骨である.そのため膝蓋骨関節面に作用する力は大きい.その力は片脚起立時膝を屈曲するにつれ増大し,屈曲140°では体重の約7倍以上の力が膝蓋骨関節面に作用するという7).このような状態では,膝蓋骨と大腿骨関節面になんらかの異常が存在すれば,容易に疼痛などの愁訴の発生につながることが想像される.実際膝蓋骨高位が4,6,12,15,17),臨床的に種々の訴えを起こすことが知られている.また膝蓋大腿部の関節面の変化は,変形性膝関節症にしばしば認められる所見である.そこで本論文では変形性膝関節症における膝蓋骨の位置を計測し正常人の膝蓋骨の位置と比較し,変形性膝関節症に膝蓋骨の高さの異常が存在するか否かを検討した.同時に変形性膝関節症を7型に分類し,各型と膝蓋骨の高さとの関係を検討し続いて変形性膝関節症発生の周辺と膝蓋骨の位置とのかかわりについても検討を加えた.
今回は変形性膝関節症,男子57症例91関節,女子95症例146関節,計152症例,237関節について膝蓋骨の高さを検討した.
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