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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科12巻9号

1977年09月発行

文献概要

臨床経験

多発性腱黄色腫症の2例—2例の報告と黄色腫のまとめ

著者: 荻野幹夫1 古谷誠1 浅井春雄1 蜂須賀彬夫1 小坂正1 村瀬孝雄1 笹哲彰1 進藤登2 井上肇3 三上隆三3 楊鴻生3

所属機関: 1国立病院医療センター整形外科 2国立病院医療センター臨床研究部 3聖路加国際病院整形外科

ページ範囲:P.891 - P.896

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要約
 2例の高脂血症性xanthomaの報告と,整形外科的立場よりxanthomaのまとめを試みた.
 〔付〕Xanthomaの主病変であるlipid laden histiocyte出現の要因を大別して,histiocyte外の環境要因とhistiocyteの細胞内要因の2つに分け,いずれが強いかを仮定して,種々の場合のxanthomaの発生を説明することができる.これら要因の具体的な諸性質については未明の所が多いが,一般的にxanthomaの発生を説明するには便利である.
 a)細胞外要因と細胞内要因の想定.
 細胞外要因の想定の根拠は,高脂血症をきたす種々の状態で,一様にxanthomaが発生することと,xanthomaには好発部位のあることによる.Lipid laden histiocyte内の脂質は,高脂血症の分類のいずれでも,ほとんど遊離型コレステロールの形で,細胞内に蓄積される.この意味において,細胞外要因は,細胞内の代謝過程に量的に影響を及ぼすが,質的な影響は少ない.また高脂血症があつても,xanthomaは,外傷を受けることの多い,循環状態の悪い部(アキレス腱,膝蓋腱,手指の伸筋腱,肘関節伸側部等)に好発することは,細胞外要因中に,外傷や循環の悪いことが含まれることを示唆する28)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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