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視座
学会に思う
著者: 片山良亮12
所属機関: 1東京慈恵会医科大学 2東急病院
ページ範囲:P.9 - P.9
文献購入ページに移動しかし当時の学会は,ある教授が,学会は真剣勝負の場であると申されたほど厳粛なもので,演説時間もよく守られていた.その頃は時間を知らせるのに鈴が用いられ,8分演説なら6分で予鈴が鳴り,8分で終了を告げる鈴が鳴つたものである.ところが,演説に余り熱中していると,その鈴が聞えないことがあつて,そのまま演説を続けていると,ジャンジャン鳴らされ,終には演説ができなくなつてしまう.これをわれわれは叩き落されると言つたもので,私にも経験がある.この鈴を青と赤のランプに変えたのは多分私が始めではないかと思う.昭和23年会長のときである.以来,青,赤のランプのみでもよく時間が守られ,かつ鈴が鳴らないから会場が静かにもなつた.ところが最近はどうかすると,赤,青のランプが無視され時間をオーバーする方がないでもない.これはアウトロウである.
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