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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科13巻1号

1978年01月発行

文献概要

視座

学会に思う

著者: 片山良亮12

所属機関: 1東京慈恵会医科大学 2東急病院

ページ範囲:P.9 - P.9

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 最近,学会での研究発表は,専門化,細分化され,微に入り細にわたつて,われわれ老骨には理解し難いことが多い.私どもの学校を卒業した頃は,外科の学会にゆくと稀ならず整形外科的な演題が出ていたし,整形外科の学会でもときどき一般外科の演題がまじつていたもので,その領域はそれほど截然とはしていなかつた.
 しかし当時の学会は,ある教授が,学会は真剣勝負の場であると申されたほど厳粛なもので,演説時間もよく守られていた.その頃は時間を知らせるのに鈴が用いられ,8分演説なら6分で予鈴が鳴り,8分で終了を告げる鈴が鳴つたものである.ところが,演説に余り熱中していると,その鈴が聞えないことがあつて,そのまま演説を続けていると,ジャンジャン鳴らされ,終には演説ができなくなつてしまう.これをわれわれは叩き落されると言つたもので,私にも経験がある.この鈴を青と赤のランプに変えたのは多分私が始めではないかと思う.昭和23年会長のときである.以来,青,赤のランプのみでもよく時間が守られ,かつ鈴が鳴らないから会場が静かにもなつた.ところが最近はどうかすると,赤,青のランプが無視され時間をオーバーする方がないでもない.これはアウトロウである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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