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カラーシリーズ Microsurgery・10
神経血管付遊離筋肉移植術(Neuro-vascular free muscle transplantation)
著者: 玉井進1
所属機関: 1奈良県立医科大学整形外科
ページ範囲:P.986 - P.989
文献購入ページに移動遊離筋肉移植は1800年後期から,多くの先人達によって試みられてきたが,いずれも血流がないために,移植筋は完全な壊死におちいり,結合織で置換されたり,軟化融解の経過をたどり,成功例は得られていない,筆者は1970年,microsurgeryによる神経,血管付筋肉移植の実験的研究を発表し,臨床応用への可能性を示唆した.
1973年,上海第6人民医院において,Volkmann拘縮に大胸筋を移植して成功したのを端緒として,本邦でも,同年,波利井らは顔面神経麻痺に薄筋を移植して素晴しい成績を収めた.その後も,生田ら,片井ら,玉井らが臨床応用に成功しており,外国においても,近年,成功例の報告が散見されるようになった.
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