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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科13巻11号

1978年11月発行

文献概要

臨床経験

骨原発性小円形細胞肉腫の2例—Ewing肉腫と細網細胞肉腫の鑑別について

著者: 荻野幹夫1 蜂須賀彬夫1 小坂正1 村瀬孝雄1 古谷誠1 浅井春雄1 井上鉄三2

所属機関: 1国立病院医療センター整形外科 2防衛医科大学校耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.1062 - P.1066

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はじめに
 骨原発性悪性腫瘍中,病理組織学的に特徴のある,一様な小円形細胞肉腫を示すものには,Ewing肉腫,骨原発性悪性リンパ腫16)(細網細胞肉腫を含む)がある.(他に同様な組織像を示すものにneuroblastomaの転移13)がある).Ewingは19214)年7例の骨原発性小円形細胞肉腫を報告し,以来Ewing肉腫の名で,同様の多くの症例が報告された.しかし既に1928年Oberling14)により骨原発性細網細胞肉腫の存在の可能性が示唆され,Ewing自身も1939年5)にその存在を認めている.骨原発性細網細胞肉腫に関する最大の功績は,Parker & JackSonの報告15)であり,軟部原発性細網細胞肉腫と同様な組織像を持ち,予後のよい疾患単位が確立された,他方Ewing肉腫の定義は,いずれの報告1,12,19)でも,明白でない。発生母地についても,Ewing自身が示唆したendothelioma説は,今日,認める人は少なく,Oberlingの述べたごとく14,19),Ewing肉腫,細網細胞肉腫,血液細胞悪性腫瘍の3者は,いずれも同一起原のもので,分化段階の異なるものであるとする説にも決定的根拠はない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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