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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科13巻12号

1978年12月発行

文献概要

臨床経験

Chondropathia patellaeの病態と治療について

著者: 末沢慶紀1

所属機関: 1Aus der Orthopädischen Universitätsklinik

ページ範囲:P.1119 - P.1127

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I.序論
 膝蓋骨関節軟骨の軟化から欠損に至るまでの退行性変化は1906年Büdingerの記載を嚆矢とする.いわゆるChondromalazia patellaeの種々の変化については,さらにLäwen(1925年),Fründ(1926年)などの報告がある.前者はChondromalazia patellaeとArthrosis deformansとの病理所見と共通性をあげ,発症にはbegleitende Synovitisが大きな役割を果たすと述べた.FründはRachitis様の局所所見あるいは組織修復機転の障害を素地として,これに外傷などを転機として発症するであろうと推測した.
 Hinricsson(1939年)は604例のChondropathia patellaeについて,その66.9%に外傷の既往があり,また職業上膝を酷使する者に多くみられることを強調した。その病態発生については,その他Kulowski(1933年),Fairbanks(1937年),Chaklin(1939年),Hirsch(1944年),Cave(1945年),Fürmaier(1953年),Wiles(1956年),Outerbridge(1964年)などの数々の報告があるが,明確な定説はなく,結局,大腿膝蓋骨関節が何らかの原因で不適合をおこし,これが直接,間接的に疼痛の原因となるであろうと推測されるに止まつた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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