icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科13巻2号

1978年02月発行

文献概要

臨床経験

大腿骨頸部骨折のリハビリテーション

著者: 三好正堂1 杉山栄一2 浦野良明2

所属機関: 1九州厚生年金病院リハビリテーション科 2九州厚生年金病院整形外科

ページ範囲:P.188 - P.191

文献購入ページに移動
はじめに
 大腿骨頸部骨折は整形外科領域で最も治療困難な疾患の1つであり,治療法に関しても議論が多い.そのリハビリテーション(以下リハビリと略す)の重要性は広く認められており,術後できるだけ早期に運動を開始すべきであることは一般論になつている。しかし具体的に何時,どのような方法で開始しプログラムを進めるべきかについては,まだ一定の見解がないようである.早期訓練がよいことがわかつていても,過誤や転倒による再骨折の危険性を念慮し,消極的にならざるをえないというのが多くの整形外科医の真意ではないかと思われる.
 著者らは整形外科疾患のみならず,脳卒中片麻痺などのリハビリも担当しているが,日常の診療を通じて感じることは,大腿骨頸部骨折患者と片麻痺患者との著しい類似である.一側下肢障害者であること,高齢者が多いこと,廃用性筋萎縮,痴呆などの続発性障害や内科疾患を高率に合併していること,などである.ところで,脳血栓片麻痺患者の場合発病後2〜3日目より健側下肢を使つて坐位より起立させ,健側下肢の廃用性筋萎縮を予防して筋力を正常に維持することが歩行能力の回復の要であり,さまざまな続発性障害を防いでリハビリを成功させる出発点である.大腿骨頸部骨折の場合も同じことがいえるはずである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら