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臨床経験
外方辷りを呈した大腿骨骨頭辷り症の2例
著者: 藤中星児1 小山明1 細谷俊彦1 石井良章2
所属機関: 1静岡赤十字病院整形外科 2慶応義塾大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.243 - P.249
文献購入ページに移動大腿骨骨頭辷り症は1572年Paréにより初めて記載され,爾来欧米では19世紀後半より現在まで多数の報告をみる.一方本邦では阿部(1930)の青年性股内彎症としての報告以来現在まで百数十例の報告を数える.辷りの方向は,骨頭が後内下方へ転位する定型的パターンを示すものがほとんどで,外方のみの辷りを呈した例はわれわれの渉猟し得た限りでは本邦はもちろん欧米にもその報告をみない,最近われわれは,本邦・欧米を通じて初例と思われる大腿骨骨頭が外方辷りを呈した症例を治療する機会を得たので,若干の考察を加えて報告する.
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