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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科13巻4号

1978年04月発行

文献概要

特集 脊椎の炎症性疾患

化膿性脊椎炎—診断と治療について

著者: 国分正一1 津久井俊行1 酒井克宜1 武田久雄1 黒沢大陸1 田中久重1 八幡順一郎1

所属機関: 1国立療養所西多賀病院整形外科

ページ範囲:P.307 - P.316

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はじめに
 化膿性脊椎炎は,かつて本邦にあつては,それに対する認識が十分でなかつたためか稀なものと考えられ,圧倒的多数の脊椎カリエスの陰にかくれてかえりみられることが少なかつた.しかし,最近は,脊椎カリエスの発症数の激減に伴つて,その臨床上の重要権が増大している.従来の化膿性脊椎炎の報告例は典型的な急性炎症状をもつて発症した症例がほとんどである.しかし,実際は,急性に発症したものでも診断されずに病勢が慢性化した症例,あるいは,Smith(1933)21)の良性型の症例,Kulowski(1936)15),Guri(1946)5)のいら亜急性,潜行性に発症する症例を含めれば,しばしば遭遇することが予想される疾患である.
 化膿性脊椎炎の診断は,host-parasitc relationshipを基本として化学療法によつて色付けされる多様な病像の理解によつて,はじめて可能となる.また,その治療は両一的なものでなく,症例の病像に即したものが望ましい.私達は昭和43年以来過去10年間に,38例の化膿性脊椎炎新鮮例を経験した.それらの臨床症状,臨床検査成績およびX線像を検討して,最近の本症の特徴を把握するとともに診断の要点,特に脊椎カリエスとの鑑別点の整理に努め,一方,治療の経験および椎体病巣部の病理組織学的検討の結果から,治療法,特に治療法の選択の問題について考察を加えたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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