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特集 脊椎の炎症性疾患 総括
非結核性炎症の診断の部
著者: 小野村敏信1
所属機関: 1大阪医科大学整形外科学教室
ページ範囲:P.405 - P.406
文献購入ページに移動先ず下出氏は最近経験した脊椎炎32例中の化膿性脊椎炎14例について述べ,本疾患が決して稀ではないこと,また亜急性ないし慢性の発症がその80%を占め,従来成書に記載されていた病態と異なる例の多いことを強調した.急性発症でない場合には当然結核性脊椎炎との鑑別が重要になるが,臨床症状やレ線検査等からは鑑別は困難なことが多く,経時的な観察が必要であり,適切な診断のためにはbiopsyが必要であると述べた.紫藤氏の発表は頸椎および上位胸椎にみられたカリエス2例,化膿性脊椎炎2例の転移性脊椎腫瘍7例を中心にこの部位における炎症性疾患と癌転移との鑑別に関するものである.
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