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視座
痛覚
著者: 伊藤鉄夫1
所属機関: 1京都大学
ページ範囲:P.541 - P.541
文献購入ページに移動痛みを伝える求心神経にはAδ線維と無髄のC線維があることが知られている.いずれも小径の神経線維であつて,Aδ線維は径3-1.5μ,興奮伝導速度6-30m/secであり,無髄のC線維は径1μ,興奮伝導速度は非常に遅く0.5-2m/secである.その受容器は樹枝状に分岐した自由神経終末であつて,体を侵害刺激から護るためのnociceptorである.皮膚を針で刺したときにおこる鋭く速やかに消える痛みはAδ線維によつて伝えられ,その局在が明瞭で,判別的epicriticであり,receptorは純粋の機械的刺激に反応する.C線維は皮膚だけでなく,筋膜,関節包,血管,内臓に広く分布しており,長く持続する局在が明瞭な痛みを発する.これは未分化の原始的protopathicな感覚と考えられている.
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