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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科13巻6号

1978年06月発行

文献概要

臨床経験

Holt-Oram症候群の2例

著者: 梁瀬義章1 上羽康夫1 須藤容章1 東正一郎1

所属機関: 1京都大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.576 - P.580

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はじめに
 先天性心疾患に心臓以外の部位の奇形を伴つた症例については数多くの報告がなされている.中でも骨筋肉系や中枢神経系の奇形が多い.しかし上肢の奇形を取り扱う整形外科領域においては,先天性心疾患の合併についてあまり論じられていない.上肢奇形に先天性心疾患を伴うものとしては染色体異常に起因するもの,ムコ多糖類異常症,遺伝的素因をもつ症候群などが知られている.
 1960年HoltとOram9)により上肢とくに母指や橈骨の形成不全と心房中隔欠損,不整脈を合併した常染色体優性遺伝と思われる一家系四世代が報告されて以後,小児科,循環器科領域において同様の症例の報告がみられる.われわれは最近5年間に29例の母指または橈骨の形成不全症例を経験しているが,そのうち2例に先天性心疾患を伴つたHolt-Oram症候群の散発例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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