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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科13巻7号

1978年07月発行

文献概要

論述

先天性股関節脱臼の成立に関する考察

著者: 山室隆夫1

所属機関: 1京都大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.632 - P.641

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はじめに
 先天性股関節脱臼(以下,先天股脱と略記する)は遺伝性疾患であることは古くよりよく知られてがる事実であるが,このことからも本症の発症要因としてprimary genetic factorが関与しているであろうことは容易に考えられる.Primary genetic factorが特に濃厚に関与している先天股脱症例は他の先天異常を多発性に合併していることが多く,奇型性脱臼(teratologic dislocation,Embryonale Luxation)と呼ばれ先天股脱症例全体の約2〜3%を占めてがる,これに反して,他の多くの先天股脱症例ではPrimary genetic factorの関与は比較的少なく,secondary intrauterine factorsやpostnatal environmental factorsの影響を受けて主として周産期に股関節の脱臼あるいは亜脱臼が成立してくるものと思われる.このような先天股脱症例はtypical dislocation,anthropologic dislocation,developmental dislocation,fetale Luxationなどと呼ばれている.
 本稿においては,後者のいわゆるtypical dislocationの成立機転について解剖学的,臨床的および実験的事実にもとづいて考察を加えてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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