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論述
不安定性を有する上位頸椎疾患の治療—Halo装置を使用して
著者: 佐々木邦雄1 脇田吉樹1 角田信昭1 丸井俊一1 秋山徹1 小野哲男1 芝啓一郎1 谷村俊次1
所属機関: 1九州大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.653 - P.661
文献購入ページに移動上位頸椎部-後頭,環椎,軸椎-は機能的には一単位をなし,craniocervical junctionとよばれ,下部延髄より上部頸髄を包含し,下位頸椎とは機能・解剖学的に異なつている.同部の疾患は先天性異常,外傷,炎症,腫瘍等があり,脊髄に対し脊椎腔が広いという解剖学的特殊性より,項頸部の叩打痛,運動時痛,運動制限等のみで,脊髄症状,神経根症状を呈さない例が多く17),これが特徴であるが,一旦症状が出現し始めると進行性,非可逆性になる事が多く,脊椎不安定性の強い場合ならびに神経症状が出現し始めた場合には手術的治療の適応がある.特に不安定性の強い例の治療に際しては術前,術中,術後を通じ,不安定性を除去し,安定性を確保した上で麻酔,手術等を行なう事が必要であり,術前,術中,術後の装具,手術適応,手術法等について述べる.
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