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調査報告
韓国における頸椎X線調査—後縦靱帯骨化を中心に
著者: 那須正義1 手束昭胤2
所属機関: 1岡山大学医学部整形外科学教室 2徳島大学医学部整形外科学教室
ページ範囲:P.672 - P.677
文献購入ページに移動後縦靱帯骨化(以下O. P. L. L.と略す)は,1960年月本の発表以来多くの人に注目されてきている.つまり骨化した後縦靱帯が脊髄障害を惹起させたり,比較的軽微な外傷により正常では起こり得ない頸髄損傷や胸髄損傷を起こさせたりする.昭和49年には厚生省難病対策の1つに取り上げられている.最近になり欧米よりの報告も散見されているがBreidahlが"Japanese Disease"であると述べているように,日本人に特異的に多い疾患であろうか? その成因に関しては,minor trauma,椎間板変性,全身的退行変性,全身的骨化傾向,糖代謝異常,フッ素中毒説など多くの説があるが,いまだ定説はない.
また山内らは,米国において頸椎X線写真を調査し,北欧系人種854例中では,典型的なO. P. L. L.を見いだしていない.同時に調査したハワイでのO. P. L. L.発生頻度は,ほぼ日本での統計に近いものであつた.つまり日系,イタリア系人種にO. P. L. L.を見いだしている。今回我々は韓国における頸椎X線フィルムを調査する機会を得たので報告する.
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