icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科13巻8号

1978年08月発行

文献概要

臨床経験

軟骨芽細胞腫の2例—殊に悪性化の考えられた症例

著者: 北城文男1 森松稔1 荒川正博2 矢野荘一3 横田清司3 生田久年3

所属機関: 1久留米大学医学部第二病理学教室 2久留米大学医学部第一病理学教室 3久留米大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.769 - P.775

文献購入ページに移動
緒言
 軟骨芽細胞腫(Chondroblastoma)は稀な腫瘍である.1942年Jaffe & Lichtenstein6)が骨端部の軟骨細胞由来の腫瘍で軟骨肉腫に比して生物学的性状が良性であるとして,本腫瘍を骨巨細胞腫から区別するために組織所見の類似性から"benign chondroblastoma"と呼称した腫瘍で,以後あい次いで報告されている.一方本腫瘍は,Lichtensteinら9)によると組織学的に軟骨肉腫や骨肉腫と誤診され易い腫瘍の一つであると指摘されていると同時に,近来"malignant"chondroblastoma(Ackerman 1969)7)の報告もみられるように,chondroblastomaは良・悪性の判定に関して今後の問題点を残している.
 最近我々は,19歳女性の右距骨に発生したbenign chondroblastomaの1例および56歳女性の左大腿骨頭に発生したchondroblastomaで臨床的・組織学的にchondrosarcomaとの鑑別に難渋したchondroblastomaの1例計2症例を経験したので,若干の病理組織学的観察と文献的考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら